歯の破折に関して度々思うのは、わかりにくいことです。
患者さんは「虫歯かもしれないので、診てほしい」と言い、言われた方は「虫歯ではありません。」と答えて終わり。
あるいは、本人は歯周病かと思ってしまうケース。
確かにレントゲンでは歯周病の様であり歯の動揺もあります。
そう思うのも無理はありません。
歯科医師の中にはそう思う者もいるでしょう、きっと。
口腔内を観察すると一部破折を思わせる黒い筋を見つけました。
よく見ないとわかりません。虫歯と見間違う可能性もあります。
少し削ってみるとはっきりしてきました。
神経の治療をするべく削ってみると破折線は歯髄に達していたようです。
破折による症状は虫歯や歯周病と勘違いされることが多いかもしれません。
歯科医師も確定診断には慎重になります。つまり、「様子見ましょう」と言われることが多いのではないかと危惧します。
一般的には理解しにくい病態ですから、しっかりした診断が必要です。 中條