〒701-4264
岡山県瀬戸内市
長船町土師8-7
「痛み」や「しみる感じ」のある部位に虫歯はない
一番大切なのは信頼
こんなことが歯科医師を長くやっていると良く経験します。例えば、「前歯がしみるので見てほしい」と言われ、レントゲンを撮ってみても異常はない。
遂に「様子を見ましょう」と言われておしまい。この「様子を見ましょう」とは「わかりません」と言っているのと等しいです。
ですから、歯科医師は言われた部位だけでなく、ほかの部位も精査することを「常」としています。当然全体を見るパノラマレントゲンは大切です。
一番大切なのは「信頼」ですが、、、、、、
例を見てみます
①この方は左上顎小臼歯を二度も根管治療されました(向かって右側が患者の左側)。最初は「しみる」とか「痛い」とかがきっかけでしょう、カリエスはなくても「神経の処置」がされたのです。しかし、治療効果が得られないので、再度根管治療。歯科医師への不信が募ったケースです。しかし。左の奥歯にレントゲンに写るカリエスがあります。ここが原因です。(第二大臼歯)
➁こちらの方は、右上の奥歯(レントゲンでは向かって左上 第二大臼歯)を治療したところ、「前歯のしみるのが無くなった」と言われました。冷たいものをペットボトルがで飲めなかったそうです。
前歯といっても一番前の歯です。びっくりしたのは私です。
③実は私自身も同様の経験があります。左の上が歯冠破折により傷んでいましたが、前歯(糸切り歯)がしみて痛かったのです。症状が進んでから原因歯は分かりましたが、初めのころは恥ずかしながら、悪くない歯を疑っていました。
この様に痛いところに原因は無く、離れた部位に原因があることがあります。
この様な時、患者に疑わしい原因の場所を説明しても、「同意」を得ることは極めて困難です。患者の訴える部位を治療しないのですから!さらに違うところを削ろうものなら、「痛くない歯を削られた」という嫌なことを触れ回られます。
ですから、一番大切なのは「信頼」です。
話を元に戻すと、このような理解しがたい状況を分かっていない歯科医師は多いと思います。このような時、診断で、、、なにか神経のバグリ??のように言う専門家がいるようです。
私はこんな時、「とにかく客観的に悪いところから、始めましょう。心配なところはその後に取り掛かります」と言いながら始めます。
是非とも、若い歯科医師と患者には伝えたい。 患者には歯科医師に状態をしっかり教えてください。そして信頼してください。歯科医師には離れた部位に原因が存在することがあることを十分頭において診断しましょう。
とはいえ、先ほども言いましたが、離れた部位の治療には同意を得ることは極めて困難です。
皆さん「様子をみますか?」